今回は出汁の考え方について基本的な部分を詳しくやって行きます。
1作る出汁
これは1番わかりやすい出汁を液体として作るやり方です。水に旨味や香りを出して、液体を入れる料理に使うと、ただの水を入れるより旨味や香りも入って美味しく出来るわけです。
お味噌汁で考えるとお湯に味噌を溶かすだけでなく出汁のお湯に味噌を溶かす事で一層美味しく出来上がります。
それを補って味噌だけを入れても大丈夫な様になっているのが出汁入り味噌ですね。
2素材から出る出汁
ここは凄く大事で料理をする際、意識しておく
と料理の見え方が変わる部分ですね。
わかりやすいのはパスタです。
パスタは素材の味を使って沢山の種類を作りま
す。同じ作り方でも素材が変わるだけでさっぱ
りとした味になったり濃い味になったりもします。これは素材から出る出汁を上手に使い組み合わせて作っているからです。
料理は使っている素材全ての味を考えながら合わせていかなくてはなりません。それを想像する事で料理のわからない事が沢山見えてきます。
3.顆粒出汁、出汁パック
顆粒出汁は出汁を粉末状に加工した物になります。主に大手メーカーが作っていて個人で作ることは難しいかと思います、使い方はとても
簡単でお湯に溶かして使用したりそのまま味付けとしても利用できます。用途は幅広く使いやすいですが、味に特徴を出すには難しいかもしれません。自然の味とは少し違いますので嫌う方もいますが家庭内での使用では便利でとてもコスパの良い物になります。
出汁パックはそのままお湯に入れる事により調理しながら本格的に出汁がとれて、漉す必要もないので手軽に作る事ができます。顆粒出汁よりは少しコストは高くなりますが自然の味にこだわりたい方にはとても便利な物になっています。
1、日本の出汁
日本料理は繊細な味を出すとても華やかで綺麗な料理です。その繊細な部分を支えているのが出汁。塩分を控えられて旨味も栄養もたっぷりの出汁を上手に使った調理法は世界でもとても素晴らしい事です。日本の出汁は香味野菜などは入れず一種類の味をとり使う場合が多くとてシンプルになります。
カツオ出汁
カツオ節をお湯に入れて出汁をとるカツオ出汁
おそらくほとんどの方が味わった事のある味で日本料理の基本です。
昆布出汁
カツオ出汁と同じくメジャーな出汁で水から昆布を茹でて出汁をとります。昆布の柔らかい旨味がどんな料理にも使えてとても扱いやすい出汁になります。
椎茸出汁
干し椎茸などを水につけると椎茸が戻ると同時に味を出してくれてとれる椎茸出汁です。キノコの特徴的な香りの出汁。
煮干し出汁
煮干しを使った出汁、個性と香りも強いのでスープなど特にラーメン店などでよく使われています。
アゴ出汁
煮干しなどと同じ魚の出汁ですがとても香りも味も上品で高級感が出るお出汁です。どんな料理にも合わせやすく万能の魚出汁です。
2.イタリアの出汁「ブロード」
ブロード
元々あまり出汁を別で取るという考えはなくて素材の出汁をその場で出して仕上げる方法が多いのがイタリア料理。
野菜とそれぞれの素材を使って火にかけ丁寧に灰汁をとり、グツグツと沸かさないようにして綺麗に漉して仕上げます。
肉のブロード
基本的には鶏のブロードが多くフランス料理のブイヨンと似ていて香味野菜と鶏ガラなどでとります。
ハマグリのブロード
日本のイタリアンではアサリを使う方も多いかと。貝類の出汁は香味野菜は入れず貝類のみで出汁をとります。
野菜のブロード
香味野菜だけでとる出汁です。リゾットや肉の香り、味を入れたくない料理に使われます。
3.フランスの出汁「フォン」
やはり丁寧な下準備と言えばフランス料理。ソースにしてもどの料理にしてもこのフォンが欠かせません。とにかく豪華で高級なスープが特徴でとても重要視されています。
出汁に出汁を合わせてソースを作るのがフランス料理の特徴
フォンドヴォー
牛の出汁になります。焼いたお肉、香味野菜を長時間煮込んで出汁をとるとても手間のかかる調理になります。
グラスドビアン
フォンドヴォーをさらに煮詰めて濃くした高級出汁。出汁で使う感覚というよりはソースの仕上げのコクをプラスしたりする。
輝いてていると言う意味のソース。
補足
皆さんが知っているデミグラスソース。
デミグラスソースというのはデミ「2分の1」グラス「グラスドビアンと同じ」つまりフォンドボーを2分の1に煮詰めてを繰り返して濃厚にして仕上げたソースをデミグラスソースといいます。とてもとても高級な手間のかかるソースなんです。今は昔ほどこだわって作っている方はいませんがちゃんと作ったデミグラスソースは本当に美味しいです、いつか記事を書いてみたいと思っています。
ポワソン
ポワソン「魚」の意味でお魚からとった出汁になります。
ブイヨン
香味野菜と鶏ガラ、トマト、香草など「ブーケガルニ」を入れて出汁をとります。この味は一般家庭にもとても馴染みのある味になりました。
コンソメ
今回出汁の分野で紹介をするか悩みましたがコンソメについて。ブイヨンは出汁、コンソメは完成されたスープの事をいいます。実際のコンソメスープは本当に手間がかかり澄んだ黄金色をした物になります。ブイヨンはあくまで出汁ですのでその違いは覚えておきましょう。
4.中華の出汁「湯(タン)」
中華料理ではだしのことを湯(タン)と言います。
中華料理では牛や豚、鶏肉や魚介類など色々な材料を組み合わせて、1つの材料にこだわらず組み合わせてバランスの取れただしを取ることが特徴です。
その他の特徴としては
出汁として食材をつかわずその素材を
別の料理に使えるように出汁を取りすぎないようにする。「全てではないです」
浮いてきた油を基本取らない。
「特殊な場合でない限り油を取らない。」
くさみ抜きは出汁が動物性の場合、ネギや生姜を入れる。
1.素湯(スータン)
椎茸、セロリ、人参、大根、緑豆、大豆、などを使用する。
2.葷湯(フンタン)
干し鮑、干し貝柱、牛、豚、鶏、中華ハム、干物などを使用する。
3.清湯(チンタン)
とても綺麗な澄んだスープの事。
食欲を誘う為のスープであり、丁寧に灰汁をとり作る。
4.上湯(シャンタン)
清湯の中でも高級とされるスープです。市販でも粉末が売っていますね。
金華ハムと丸鶏、牛肉、豚肉を
長時間煮込み仕上げたスープ。
5.白湯(パイタン)
白いスープ。魚介類や豚骨などを強い火力で長時間煮込み、白濁させて仕上げます。豚骨ラーメンの白いスープはこれです。
料理にどんな味や香りを入れたいのか知っている料理にはどんな出汁がでていて、どんな香りが入っている料理なのかをもう一度考えてみましょう。
国や文化の違いで考え方が違います。しかしどの国の料理でも出汁をどう使うかを工夫しています。
肉を使わず上品な出汁が多い日本料理。
基本的に素材の味をその場で合わせて作り上げるイタリア料理。
丁寧な下準備とこだわりで贅沢に仕上げるフランス料理。
型にこだわらず、とにかく美味しいものを追求しすべてを万能に使う中華料理。
このように特徴が分かるとその国の料理の大事な部分がわかってきます。